2007年11月12日

アスベストの分類

アスベストを鉱物学的に分類すると二つの鉱物に大別することができる。ひとつは蛇紋岩(じゃもんがん)で残りが角閃岩(かくせんがん)という。蛇紋岩の一種にはクリソタイル(白石綿)、角閃岩の分類には@クロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)、アンソライト(直閃石綿)、トレモライト(遠角閃石綿)、アクチライト(陽起石綿)などがある。アスベストとは、ILO(国際労働機関)ならびにEPA(米国環境保険庁)における定義としては、冒頭で記した六種類に分類した鉱物の総称ということになる。近年、アスベストと言えば、クリソタイル(白石綿)を指す言葉になった。それは世界の産業用アスベスト製品の99%がクリソタイルなので概ねクリソタイル単体を指す言葉になった経緯がある。1995年頃、断熱材、絶縁体としてクリソタイルより優れたクロシドライトやアモサイトはその有害性、有毒性から全面的に使用禁止になっていった。しかし両鉱物ともに開発当初からその埋蔵量、生産量は極端に少なかったためクリソタイルへの依存度は当初よりも高くこれら二種類の鉱物が使用禁止になってもさしたる影響がでることはなかった。1990年代EU諸国の科学委員会はアスベスト自体の毒性、環境毒性などの自然環境全般にに対するクリソタイルを含むすべてのアスベスト鉱物に発癌性があることを証明できると公表した。それまでアスベスト鉱物と発癌のメカニズムには推測の域を出ない内容だったが、委員会の決然とした公式発表により各国もそれに追随する動きを見せることになった。2005年よくやく英国などではクリソタイルが全面禁止になった。クリソタイルがその危険性を叫ばれつつも現在に至るまで使用禁止にならなかった理由は国益を優先させる産出国の思惑があったからに他ならない。アスベスト最大の産出国はロシアとカナダである。特に日米両国とカナダの蜜月関係こそ史上空前のアスベスト曝露被害を生み出す現況になっている。クロシドライトは南アフリカで1805年に発見された。クリソタイルは1870年に発見された。クロシドライトはクリソタイルよりも半世紀以上古い歴史がある。そのため1870代には既に肺疾患とアスベストの因果関係が問い沙汰されていた。1960年に発表された英国人医師ワグナーの発表は歴史上初めてクロシドライトと中皮腫の関係を証明したケースとして注目を集めた。アスベスト産出国では急速にクロシドライトを表面社会から駆逐する措置と同時に、クリソタイルの毒性が低いことを逆にアピールするようになった。これが「クロシドライトスケープゴード説」と呼ばれる所以である。アスベスト産出国であるロシアとカナダは膨大な国益に繋がる可能性が大きいアスベストが危険性を兼ね備えていることはさまざまな文献から容易に推計することが可能だった。しかしこれを額面通りに表明して全面禁止にしてしまっては膨大な利権をただドブに捨てるようなものであり強いては国益としての損害にも結びつく結果にもなる。そのためクロシドライトは有害でありその毒性は強いとし、その反面、クリソタイルの毒性は低いものであるから安全・無害であるという、一種の安全宣言、安全神話を捏造することでクリソタイルの優位性を人々の頭脳にさり気なく刷り込むことを現実に行っていったのである。カナダ政府の思惑に踊らされたアメリカと日本の政治化たちは己が利権追求のためだけにカナダ政府のお先棒を担ぐ形で国民は元より多くの人々を欺き通しその結果として史上稀にみるアスベスト飛散による公害被害者の激増が取り沙汰される結果となった。

ニックネーム kaze at 22:45| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月11日

アスベストを知っていたマルコポーロと平賀源内

東方見聞録(正式な書籍名称は「世界の記述・・・Description of the World」)を口述しその中で日本を黄金の国(ジパング)と称したヴェネツィア商人マルコポーロは燃えない鉱物繊維アスベストのことを『サラマンダ―の皮』と言って珍重するとともに不思議がっていたと記録に残されている。サラマンダ―とは万物の四大要素「地・水・火・風」の「火」の精霊を指す言葉だ。サラマンダ―とはなかなか形容し難い生き物だが想像を働かせるにトカゲのようだとする意見もあるが個人的な思い入れを込めて龍(ドラゴン)に似た伝説の聖獣と定義しておく。サラマンダ―は火炎の中に住んでいる火の聖獣なのでその皮を用いた衣服はけして燃えない。火にくべると表面の汚れは燃えて浄化されしかも皮自体はまったく燃えずに新品のように元へ戻る。そのためアスベスト繊維で織り上げた衣服はまるでサラマンダ―の皮と形容され太古より高貴なものとして珍重されていた。アスベスト繊維をサラマンダ―の皮と称したマルコポーロは歴史上の著名人であるし、私たち日本人には西洋に黄金の国として日本を紹介してくれた特別の思い入れある人物でもある。だが近年になりマルコポーロの存在自体が疑問視されている。それはモンゴルの大王フビライハーンのそば近く長年仕えてもマルコポーロに関する記述自体が一切何もないからだ。マルコポーロがハーンの側近として仕えていたのなら必ずやその当時の公式記録『元史』にその姿が明記されているはずである。然るにマルコポーロに関する記述は露ほども見られない。
マルコポーロの実在証明は識者にお任せすることにして洋の東西を問わずアスベスト繊維がいかに不思議に思われ珍重されていたのかが良く判る事例である。さて御伽噺から一歩引いて歴史全体を眺めて見てもアスベストに関する記録は意外と古くから残されている。紀元前4〜5世紀にかけてのギリシャ、エジプト、中国などでは実際にアスベスト繊維を用いた布を織った記録が残っているし歴史学者ヘロドトスは王族が死んだあと日本で言うところのアスベストの帷子(かたびら)を着せて火葬に付したと記録に残している。日本では経帷子(きょうかたびら)といい現在も死者に着せる死装束のことを意味し背部などに題目や真言(仏の種字)などを記して死者を浄土へ送る仏教的な儀礼のひとつに用いる衣服だ。その帷子が西洋にも存在しその材質が不燃のアスベスト繊維であったということは驚きでもある。
古代エジプトでのミイラ製作は有名だがミイラを包む布としてアスベストが用いられていたことは意外に知られていない。ふつうミイラを包む場合には麻布の包帯を用いることが一般的だったからだ。また古代ローマ帝国ではランプの芯としてアスベストが重宝されていたし日本では1764(明和元年)平賀源内がアスベスト繊維を布状に編んで「火浣布(ひかんぷ)」と名づけ火で洗える布として幕府に献上したことが文献上明らかになっている。平賀源内は日本の歴史上でも著名な発明家医師としてとみにその名が知られているが発明品の多くには当時の最先端素材を用いたものが数多く知られている。アスベスト繊維は鉱物である特質と共に燃えない繊維としての特質を兼ね備えている。アスベストとはギリシャ語の「sbestos(消化できる)」に同じギリシャ語の「a(〜しない)」という言葉が接続してできた言葉で「消化しない、消化できない」という意味を持つ。近年のマスコミ報道でアスベストが社会的・人的に及ぼした影響は計り知れないことを私たちは知らされた。敗戦後日本は著しい復興を遂げ高度成長を続けて来た。その根幹を支える物質のひとつが実はアスベストだった。アスベストというのは単一の物質名称ではない。アスベストとは鉱物学的な名称ではなく高い繊維性を持った珪酸化合物の総称のことでることをもう一度思い出して頂きたい。

ニックネーム kaze at 04:49| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月05日

アスベストは体内に仕掛けられた時限爆弾だ

体内に静かに仕掛けられた時限爆弾「アスベスト」をわたしたちが自覚することはほとんどないと今までで記してきた。それはアスベスト自体がミクロンの繊維形状をしていることと時限爆弾の導火線に着火して実際に爆発に相当する疾病を発症するには膨大な時間を要するから体内曝露していたとしてもまず気づくことがないからである。アスベストが体内に取り込まれて死へのカウントダウンが始まる時間には確たる定説はないが一般的には通常体内曝露して10〜30年と言われている。そしてひとたび体内に取り込まれたアスベストを排出するすべは現代の最先端医科学をもってしても皆無だということだ。つまり死のカウントダウンを回避する手だては今のところ見つかっていないのが現状だ。何らかの理由によりアスベストが体内に取り込まれる結果になるとそれらは二度と体外に排出されることはない。あとは座して死を待つばかりなのである。
竹取物語のかぐや姫伝説を知らない日本人は少ないだろう。そのかぐや姫が今世間を騒がせているアスベストの存在を知っていたとしたらあなたはきっと驚くに違いない。またアニメ世代の現代っ子であればアニメ「犬夜叉」の主人公が身につけている燃えない衣服を知っていることだろう。実はかぐや姫が欲しがり犬夜叉が身につけていた燃えない不思議な繊維で編んだ衣服を『火鼠(ひねずみ)の皮衣(かわぎぬ)』と言う。衣を正確に漢字表記すると『裘(ぎぬ)』となる。アニメの主人公はともかく竹取物語は単なる童話と片付けるにはリアリティーに満ち溢れた物語だ。そのため近年研究者の中には、かぐや姫実在説を唱える者もいるほどである。
竹取物語の中でかぐや姫への求婚者四名に対してかぐや姫は各々に貢物を求めている。まあ態の良い拒絶の気持ちなのだが恋に狂った男どもは必死に品物を探すことになる。かぐや姫の苛めに耐える人物と探すべく宝は次の通りだ。 @石作(いしつくり)皇子(のみこ)「仏(ほとけ)の御石(みいし)の鉢(はち)」A 車持(くらもち)皇子(のみこ)「蓬莱(ほうらい)の玉(たま)の枝(えだ)」B 右大臣(うだいじん)阿部(あべの)御主人(みうし)「火鼠(ひねずみ)の皮衣(かわぎぬ)」C 大納言(だいなごん)大伴(おおとも)御行(みゆき)「龍(りゅう)の頸(くび)の玉(たま)」D中納言(ちゅうなごん)磯(いその)上麻呂(かみのまろ)「燕(つばくろ)の子安貝(こやすがい)」。「仏の御石の鉢」とは仏教開祖釈尊が生前愛用した托鉢用の鉢を指す。「蓬莱の玉の枝」とは蓬莱山にある不老不死の実がなる木の枝。「火鼠の皮衣」とは火の中に住むという火鼠の皮でできた衣。「龍の頸の玉」とは五色(ごしきの)龍歯(りゅうし)と呼ばれる石薬。ちなみに、ここで言う五色とは、赤・青・黄・黒・白の色彩で仏像の色を表している。「燕の子安貝」とは安産の象徴としての燕が持つ神秘的な子安貝を指している。この中のBで述べられているのが問題の「火鼠の皮衣」つまりアスベスト繊維そのもののことだ。アスベストは太古の物語にまで登場する稀有の物質だったのである。
ニックネーム kaze at 14:29| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

 

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